テスト
午前の部(3時間)
[1]次の各問に答えなさい
(1)極座標表示された閉曲線r=1+cosθ(0≦θ≦2π)が
囲む領域の面積と曲線の全長を求めなさい。
(2)次の3重積分を計算しなさい。
V=∫∫∫Dxyz dxdydz
ただし、積分範囲D={(x,y,z)∈R3:x2/a2+y2/b2+z2/c2≦1 , x,y,z≧0}
であり、a,b,c>0は定数とする。
[2]aを実数とし、次の各問に答えなさい。
(1)4次元実ベクトル空間R4内の4個の列ベクトルの組
が一次従属となるようなaの値をすべて求めなさい。
(2)行列A(a)= | |
|
|
の階数を調べなさい。
(3)一般にn次正方行列Bがある自然数kに対してBk=0を
満たすとき、0でない任意の実数tに対してB−tInの
逆行列が存在することを示しなさい。ただし
(4)問(2)で定めた行列A(a)は、任意の実数aと任意の
自然数kに対してA(a)k≠0となることを示しなさい。
[3]Aをn次実対称行列とする。零ベクトルでない任意のn次元ベクトル
xに対してtxAx>0が成り立つとき、Aを正定値と定義する。ただし、
txはベクトルの転置を表わす。このとき、次の各問に答えなさい。
(1)n次正方行列Aに対して、次の3条件は互いに同値であることを
示しなさい。
(a)Aは正定値。
(b)Aの全ての固有値は正。
(c)ある正則行列BがあってA=tBBとなる。ただし、tBは
行列Bの転置を表わす。
(2)3次実対称行列
A= | |
|
|
に対して、
(i)Aの固有値と固有ベクトルを求めなさい。
(ii)Aの固有値をλ1、λ2、λ3とするとき
A=T | |
|
|
tT |
となる直行行列Tを求めなさい。
(iii)A=StSとなる3次正方行列Sをひとつ求めなさい。
[4]R2上のC2級関数f(x,y)が次の2条件(i)(ii)を満たすとする。
(i)円板D={(x,y)∈R2:x2+y2<1}上で、対称行列
H= | |
∂2f ∂x2 |
∂2f ∂x∂y |
∂2f ∂y∂x |
∂2f ∂y2 |
|
|
は正定値である。
(ii)Dの境界∂D={(x,y)∈R2:x2+y2=1}上で
f(x,y)=0が成り立つ。
このとき、次の各問に答えなさい。
(1)f(x,y)をD上の点(a,b)のまわりで2時の項が剰余項に
なるようにテイラー展開しなさい。
(2)D上の点(a,b)で
が成り立つとする。このときf(a,b)はDにおけるfの最小値で
あることを証明しなさい。
(3)f(x,y)はD上で最大値を取らないことを証明しなさい。
(4)∂D上の任意の点(x,y)に対して、
を示しなさい。ただし、rは(x,y)を極座標表示したときの
動径成分とする。
[5]以下の(1)から(3)の真偽を判定しなさい。正しいときは証明を与え、
正しくないときは反例または反証を与えなさい。
(1)次の広義重積分の値は有限である。
ただし、D={(x,y)∈R2:x≧0,y≧0}とする。
(2)非負数列an≧0(n=1,2,3・・・)が、
(3)整数を成分とする行列を整数行列と呼ぶ。。正則な整数行列Aの
逆行列が整数行列となるための必要十分条件は、Aの行列式が
1または−1に等しいことである。
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