不思議な対話


14回目

(〜)は私の心を文章化しています。
状況を説明することもあります。

世「こんにちは、行代ちゃん。」
行「こんにちは。」
世「今日は目が疲れ気味なので、目をつぶらせてくださいな。」
(目を閉じる世代)
行「それって、また何かたくらんでない?」
世「また、とは酷いな。この間は何も考えていなかっただけです。」
行「声がうわずってるわよ。」
世「声がおかしいのは、風邪のせいでしょう。」
行「元気そうじゃないの。観念しなさい。」
世「ふうむ。」
行「まだ、時間はたっぷりあるから粘っても無駄よ。」
(目を開ける世代)
世「そのようですな。目をつぶれば、考えを読まれないかなと思ってこうしました。」
行「単純よね。」
世「確かに、安直な考えです。」
行「そもそも、目を閉じたら私を見れないじゃない。その時点で負けよ。」
世「そうか。なるほど。」
行「商談中は相手を見る。」
世「勝手に商談にされてしまった・・・って限定ネタは禁止です。」
行「しっかり、のってきてるじゃない。」
世「勢いのあまりです。話を元に戻しましょう。」
行「世代さんは、基本的に顔に出るって前に言ったじゃない。」
世「それは、知っています。だから、語っているのは目が多いのではないかと思ったのです。」
行「そうかしら。それもあるかもしれないけれど、仕草ってのも結構あるわね。」
世「仕草? 何もしていないはずですが。」
行「自分では気付かないものよ。髪に手を当てたり、腕を組んだり、いろいろとね。」
世「ううむ。無意識か。どうにもなりませんな。」
行「ここで、よく考えるのよ。逆に。」
世「逆ですか? むむう。」
行「世代さんは、気付かないかもね。」
世「ああ。行代ちゃんもそういう癖があるのか。」
行「そういうことよ。今日は大サービス。」
世「全然、そんなことを考えたことはなかったです。」
行「いつも、人のことを観察していないでしょう。」
世「一応見ているつもりなのですが、隅々までは見ていないのだろうな。」
行「今からでも、気をつけてみれば何か見えるんじゃない?」
(じっくり眺める世代)
世「分かりません。」
行「諦めが早いわね。」
世「行代ちゃんに彼氏ができたって本当ですかな。」
行「・・・」
世「やはり、反応がないなあ。」
行「これぐらいのことには、動揺しないわよ。」
世「うまく、不意をついたつもりだったのだが。」
(ここで、何か言ってくるに違いない。気をつけよう。)
行「癖に気付いていれば、ある程度はカバーできるものよ。」
(おかしいな。言ってこないぞ。)
世「鏡を見て話すわけではないので、簡単には気付きません。」
行「たしかに、時間はかかるかもしれないわ。」
世「そうだろうなあ。」
行「構えてるでしょ?」
世「いきなり、言われても分かりません。構えるって何が?」
行「私が何を言っても動揺しないように構える、ってこと。」
世「ああ、そういうことでしたか。はい、構えていました。」
行「やっぱりね。」
世「私が不意をつこうとしたので、お返しにつかれると思ったのです。」
行「待ち構えているのが見え見えだったから、あえて言わなかったのよ。」
世「そうか。全部読まれているんだなあ。どうにもなりませんな。」
行「全部分かる人なんていないに決まってるじゃない。私だって何となく分かるだけよ。」
世「一筋の光明は、あるようですな。」
行「それを増やすも減らすも、世代さん次第ということね。」
世「小手先のものに頼るようではいけないようだな。今日は、
サングラスを使うべきかどうか、かなり迷ったのです。」
行「似合わないでしょうね。」
世「ははは。この顔に黒いメガネは異様ですからな。やめてよかったです。」
行「きっと、変質者にしか見えないわよ。」
世「ぐはあ。酷いなあ。」
行「痴漢のほうがよかった?」
世「大差ないではないですか。これからも、素のままでいきます。」
行「安心したわ。痴漢とはしゃべりたくないのものよ。」
世「それは、当然です。分かりました。」
行「ありがと。」
世「どういたしまして。それでは、今回はここまでにしましょう。」
行「じゃあ、またね。」
世「では、また今度。」

次の対話は5月中旬です。

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